歯科治療で扱う被せ物の種類の1つに、オールセラミッククラウンがあります。
審美性に優れている事から、女性をはじめとし、接客業の方にも大人気のオールセラミッククラウンですが、実はデメリットも存在します。
そこで今回は、オールセラミッククラウンの審美性の高さを細かくお伝えすると共に、他の被せ物との違いやデメリットについてもまとめました。
処置をお考えの方は、是非参考にしてみて下さい。
1. オールセラミッククラウンとは?
オールセラミッククラウンとは、陶器と同じ材料で作成された被せ物の事を指します。
材料に金属が使われていない事から、金属アレルギーをもつ方であっても処置が可能となります。
2. オールセラミッククラウンが審美性に優れている4つの理由
オールセラミッククラウンの1番の魅力である審美性は、他の被せ物では味わう事のできないメリットであるといっても、決して過言ではありません。
審美性に優れている理由とは、一体何なのでしょうか?
2-1. 見た目がほぼ天然歯と変わらない
細かく色を決められるオールセラミッククラウンは、全体の色調に合わせて違和感無く作成する事が可能となります。
また、前歯であれば形も大変重要なポイントとなる為、患者本人のイメージを尊重し、納得のいく形成ができるまで仮歯を使用して形決めを行うという方法をとる事もあります。
その場合、それなりに時間を必要としますが、完成時の満足度はとても高くなります。
2-2. 歯茎が下がっても金属が見えない
被せ物を行った後に、歯周病や年齢による歯茎の退縮が起こり、歯と歯茎の境目から被せ物の金属が見えるという人は、けして少なくありません。
前歯であると、その分人目につきやすくもなります。
オールセラミッククラウンの場合、材料に金属を含まない為、処置後の歯茎の退縮が起こっても見た目に大きな変化はなく、できた隙間にレジン系の詰め物をする事で、より目立たなくなります。
2-3. 汚れや着色がつきにくい
オールセラミッククラウンの特徴の1つに、“傷が付きにくい”という点があります。
傷が付きにくいという事は、その分汚れの付着や着色が起こりにくくなり、衛生的に保つ事が出来ます。
特に前歯の場合であれば、見た目に強く関係してきますので、この特徴が最大限に活かされるといえるでしょう。
2-4. 他の被せ物に比べて軽く、刺激が少ない
金歯や銀歯に比べて軽いので、歯周病で歯を支える骨が少ないという方で上の歯が対象である場合にオススメな処置です。
被せ物の重みは、歯を支える骨が丈夫でなければ重力に加えて下がる原因となりますので、見た目を左右します。
また、オールセラミッククラウンの場合、金属を含まない事から熱伝導がなく、冷たい物や熱い物の刺激が伝わりにくいといわれている事から、歯の神経を残した状態での被せ物として適切であるといえます。
3. 処置を行う前に知っておくべき!オールセラミッククラウンのデメリットとは?
審美性の高いオールセラミッククラウンですが、残念ながら他の被せ物よりも劣る部分、デメリットも多々存在します。
事前に把握しておく事で、どの部位にどんな材料の被せ物が適切なのかを判断する事ができ、処置後のトラブル防止に繋がります。
他の被せ物と比較した際の、オールセラミッククラウンのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
3-1. 材料の中で、最も硬い存在である
頻繁に使用される被せ物の材料として、金、銀、セラミックの3種類があげられます。
硬さというのは、天然歯と比較したときのものであり、天然歯の硬さに近ければそれだけ噛みあう歯への負担が少ない事になります。
天然歯に最も近い硬さとされているのは金であり、その次に銀、そして最後にセラミックとなります。
よって、オールセラミッククラウンは、噛みあう歯が天然歯である場合だと、磨耗や歯が欠けるなどのトラブルが起こりやすくなります。
3-2. かけやすく、割れやすい
オールセラミッククラウンは、陶器と同じです。
床に落としたお皿が割れてしまうように、オールセラミッククラウンも急な衝撃には大変弱く、簡単にかけたり、割れたりします。
その為、飴玉や氷を噛む癖のある方にはあまり向かない処置であり、そうでなくても圧のかかる奥歯の処置にはオススメできません。
審美性を重視し、前歯の処置のみで取り扱う方が無難だといえるでしょう。
3-3. 保険適用ではないため、費用がかかる
オールセラミッククラウンは、保険適用外であり、相場は1本あたり8万~15万円といわれています。
最短で行える矯正方法として人気のセラミック矯正がありますが、それぞれの歯にセラミッククラウンを被せる処置になる為、対象の歯が多ければその分費用が高くなります。
4. まとめ
オールセラミッククラウンは、高い審美性をもつ処置でありながら、他の被せ物より劣る部分も存在します。
メリットとデメリット、両方を把握する事で、後悔のない適切な治療が行える事でしょう。
歯科医院によって費用に差がある為、ご検討中の方は是非一度歯科医院にご相談下さい。
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