わたしは歯が弱くて虫歯になりやすい、甘いお菓子が好きでやめられない、だから虫歯が出来ても仕方ないと、諦めてしまっている方、多いかと思います。
しかし、正しい知識があれば、虫歯は回避できるのです。
ぜひ、虫歯にならない方法を知ってみませんか?
1.虫歯はなぜできる?
そもそも、虫歯はなぜできるのでしょうか?
「歯が溶ける」というのは、皆さんご存知かと思います。食べ物に含まれる砂糖などの糖を虫歯菌が餌として食べると「酸」が発生し、その「酸」が歯を溶かすのです。
では、なぜ歯が溶けるのでしょうか?
歯磨きが下手だから?歯が弱いから?歯医者さんが嫌いだから?お菓子が好きだから?
どれも、あてはまりそうですが、どれか一つだけでは虫歯は発生しません。
虫歯は、その人の持つ「歯の質」、「時間」、「虫歯菌」、「糖」のすべてが重なった時に発生します。
ということは、歯がもともと弱い(溶けやすい)だけでは虫歯になりませんし、甘いお菓子をたくさん食べるからという理由だけでもなりません。
気づかぬうちに、4つのすべてが重なっていて虫歯が発生しているのです。
まだ、よくわからないという方も多いでしょう。
では、ご自身でどのように気を付けると良いのでしょうか。
2.歯の質を強化する
歯は、フッ化物を使って強化することが可能です。フッ素入りの歯磨き粉を毎日使うことで、再石灰化を促し、虫歯に負けない強い歯になります。
特に、フッ化物の効果が強いのは生えたての永久歯です。ですから、子供の頃から歯医者さんで高濃度のフッ化物を塗ってもらったり、毎日フッ化物入りの歯磨き粉を使うことがお勧めです。
また、歯磨きの後に口をゆすぎすぎてしまうと、せっかくの成分が流れてしまいます。歯磨きの後のうがいは、軽くで大丈夫です。
3.時間って?
先ほどから登場している「時間」にクエスチョンマークが発生している方も多いと思います。
時間というのは、糖や細菌、汚れが歯に定着している「時間」です。長い時間、歯が菌などにさらされることが虫歯発生の原因の一つです。
ということは、その糖や細菌を歯から取りのぞく必要があります。それは、自分に合った正しい歯ブラシをしっかり使用して歯を綺麗にすること、また、糖を摂る回数を減らすということです。
4.あなたの食事回数は何回?
自分に合った正しい歯ブラシが大切ということは、周知の事実です。
しかし虫歯の発生には、糖の摂取回数が大きく関係していることをご存じですか?
朝、昼、夜の3度の食事に含まれる砂糖などの糖だけでは、虫歯になるリスクは高くないといわれています。3度の食事にプラスしている間食の回数が重要になってきます。
5.正しい間食の取り方
虫歯になるリスクが少ない正しい間食の取り方は、3度の食事に混ぜ込むことです。
朝ごはんや昼ごはん、晩ごはんと一緒に甘いものを食べる。そうすると、摂取回数は3回に留めることができます。
しかし、間食というぐらいだから、間をあけて食べたいですよね。
ですから、間食の時間は1回に決めて、だらだらと食べない事が大切です。
6.虫歯になりやすいお菓子
虫歯になる原因の一つが「時間」とお伝えしました。お菓子でも、食べるのに時間のかかるものがあります。
それは、飴やキャラメルなどです。それらは、口に入れてから、なくなるまで時間がかかります。さらに、キャラメルは、歯の溝などに、くっついて離れません。
飴をよく食べる、好きという方に虫歯が多い傾向にあるのは、この為です。
7.細菌、汚れのコントロール
汚れを歯ブラシでしっかり磨くことで、細菌の繁殖を抑えることができます。
丁寧な歯磨きを心がけましょう。
8.歯を効率よく磨く
歯磨きは、時間をかけて磨いていれば大丈夫というものではありません。1日2回から3回毎日磨いている方が大半でしょう。
歯磨きは、生活習慣の一つです。毎日のことで、無意識に磨いてはいませんか?
時間をかけていても、いつも同じところを磨いていたり、磨き残しがあることがあります。
一番のお勧めは、いつもの歯磨きの後に「染め出し」というピンクや赤、青などの色のついた液体や錠剤をお口に含んではき出し、磨き残しを色でチェックすることです。子供のころに歯医者さんでやったことのある方もいるかもしれません。
歯についた汚れは、白くて歯の色と同化している為に、鏡を見ただけではなかなか判断がつきません。歯医者さんでの歯磨き指導で使うものですが、磨き残しが一目瞭然でインパクトがありますのでお勧めです。
これを数回繰り返すことで、自分の磨き癖、いつも磨けていないところがみえてくるでしょう。ドラックストアなどでも手に入りますが、歯医者さんにお願いするのがお勧めです。
磨けていないところをどう磨くのか、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシといった補助用具などのお勧めも教えてもらえますし、ご自身では気づかない部分の指摘もあるかもしれません。
効率よく、しっかり汚れを落とす近道になることでしょう。
詳しくは「歯科衛生士がやっている虫歯、歯周病にならない歯磨きの方法」でもお伝えしております。
9.虫歯予防のサポートを受けよう
虫歯は、早めの発見がとても大切です。虫歯は、痛みなどの自覚症状が出る頃には、かなり進行していることが殆どです。虫歯は、風邪などと違い自然に治ることはありません。
定期的に歯医者さんへ通うことで、虫歯の早期発見だけでなく、自分では磨ききれない汚れも綺麗にしてもらえます。
今後虫歯になりそうな歯というのも、歯医者さんではみつけてもらえますので、アドバイスをもらうのも良いかもしれません。
また、虫歯になりそうな歯はすぐに治療をしなくても、きちんとご自身でのケアができていれば、虫歯が進行せずそのままキープすることも十分に可能です。
歯医者さんでは、虫歯の治療はもちろんですが、予防のサポートもしてくれます。
10.まとめ
今回は、虫歯にならないためのとっておきの予防方法をお伝えしました。
どれも、とてもシンプルです。是非、歯医者さんも有効に活用しながら、綺麗な歯を維持できる習慣を身につけてみて下さい。
石田かすみ
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