ふと鏡を見ると、「えっ!?私の歯ってこんな感じだったっけ?」「よく見てみると歯の色が変わってきた…」などなんだか歯の違和感や異変が気になったことはありませんか?
痛みや違和感があれば虫歯を思い浮かべすぐに歯医者に…なんてことはありますが、痛みを伴わない症状だと軽視されがちに。
しかし、その放っておく事が更に症状の悪化に繋がっている可能性も。
今回は、虫歯だけではない歯の異変について、症状別にいくつかご紹介していきたいと思います。
1. 虫歯以外の歯の異変とは?
1-1. 歯の変色
他の歯に比べて1本だけ見た目が違っていたり、前に比べると全体的に歯の色が黄色っぽくなってきたような気がするという事があった場合、いくつか考えられる事があります。
例えば、全体的に歯の色が変わってきた。これは一種の老化現象の可能性があります。
普段の生活の中で歯磨きや食事の時の噛み合わせで段々と歯は消耗していきます。
その年月が長くなっていくと、歯の外側のエナメル質と呼ばれる物がすり減っていき、もう一層内側の象牙質(ぞうげしつ)と呼ばれる物が中から透けてきてしまいます。
この象牙質が黄色っぽい濃い色をしているので年を重ねていくと歯の色が少しづつ変化してくるのです。
象牙質(ぞうげしつ、Dentin)は歯の主体をなす硬組織である。 エナメル質やセメント質と歯髄腔の間にある。 象牙芽細胞により作られる。 エナメル質より柔らかいため、う蝕が象牙質まで達した後は急速に進行する。
また、テトラサイクリンという抗生物質を子供の頃に一定期間服用していると永久歯に生え変わった時に歯の色がグレーがかった様な色に変色しているという事があります。
これはテトラサイクリンという物質が、象牙質に影響を与えているものと考えられています。
他にも以前に、虫歯の治療をした時に部分的に詰めた白いプラスチックが劣化、色素沈着してきた事によって起こる変色があったりコーヒーや紅茶、タバコなどの嗜好品によって付着する着色、歯の神経が無いまたは死んでいる状態だと水分や栄養が行き届かず変色してくる可能性があります。
特に、最後の歯の神経が死んでいるというのは虫歯の治療で神経を取ってもらったという場合と転んで前歯を打った、ぶつけたなど外傷によって歯の表面にはなんの影響も無い様に見えて、実は中の神経がぶつけた衝撃で死んでしまうという場合があり、後者の場合、歯の根に膿の袋が出来て歯ぐきが腫れたり痛みが出てくる事もあるので早めの治療をオススメします。
1-2. 歯が揺れる
歯が揺れるというのは被せ物や詰め物が取れかかっていたり、歯ぐきの中で歯が折れているという以外にも歯の周りにある組織が原因になっている事もあります。
よく耳にする歯周病もその1つです。
歯周病とは歯の周りにある骨や歯ぐきの病気の事で歯周病の菌が歯と歯ぐきの間にある歯周ポケット内に入り繁殖して引き起こします。
歯というのは歯ぐきの中のある骨によって支えられており、歯周病が進行するとその支えている骨が溶けてきてしまい揺れてきてしまいます。
更に進行するとやがて自然に抜けてしまい歯を失うという可能性もあるのです。
歯周病に関しての詳細は、「放っておくと怖い!歯周病がもたらす人生の落とし穴」も参考にしてください。
あとは、歯ぎしりです。
噛む力というのは自分の体重程の力がかかると言われており、無意識のうちにその力で歯ぎしりを繰り返す事により、歯が揺り動かされ段々と歯を支えている周りの組織に影響が出てくる場合があります。
1-3. 歯並びが変わった
親知らずが生えてきた影響で前よりも歯が出できた、歯並びが悪くなってきたというのはよく聞きますがそれ以外にも頬杖(ほおづえ)をついたり、横向きに寝たり日常生活の中で無意識に癖としてしてしまう事が知らず知らずのうちに歯並びに影響を与えてしまう事があります。
これは自分の頭の重さで少しずつ歯を動かしてしまっているという事なのです。
歯並びが変わる事により自然と噛み合わせもズレてきて、見た目だけでなく顎や骨格にまで影響を及ぼす事もあります。
親知らずに関しての詳細は、「保存すべき親知らずと抜くべき親知らずの違い」も参考にしてください。
1-4. 歯がしみる
虫歯ではないのに、歯がしみるというのはテレビのCMなんかで見かける知覚過敏の可能性があります。
歯磨きの際に力が強すぎると少しずつ歯が削れてきてしまい、歯の中の神経との距離が近くなってきます。
象牙質というのは外側の硬いエナメル質と呼ばれる部分よりも敏感なのでしみるという症状が出やすくなるのです。
歯が少しずつ削れていくという所に関して言えば、歯ぎしりも同じなのでそれも注意していただきたいです。
2. そのままで自然と治る事があるのか?
虫歯でないという事は普段の生活で気をつけておけば自然と治ってくるのではないかと考えるかもしれませんが、そうでない事も多くあります。
ましてや、放置する事によって症状の悪化やさらなる痛みを引き起こす事もあります。
2-1. 歯科医院に受診する必要のあるもの
歯の変色の面から言えば、詰め物の中から虫歯になってない限りは痛みが出る事は少ないですが、歯科医院に受診しないと自然にもとの白さに戻る可能性はほとんどありません。
また、最初にも書いてあるように歯の神経が死んだままにしておくと、歯の根に膿の袋が出来て痛みや腫れを伴う事もあります。
歯周病に関しても放置する事により痛みを伴い、最終的に歯が抜けてしまうという事態も引き起こす事があります。
特に歯周病はグラグラと動いてきた両隣の歯も感染しやすいので注意が必要です。
2-2. 生活習慣の中で改善していく可能性のあるもの
生活の中で頬杖や横向きに寝たり噛みしめる癖を意識して改善していく事で歯並びや、歯がしみる事を防いだり改善していく可能性があります。
噛みしめるという事に関して言えば、1日のうちに上の歯と下の歯が合う時間というのは食事の時間を含めても20分程度だと言われています。
リラックスした状態を作った時、歯と歯が合わさっている人は注意が必要になってきます。
そうは言っても、歯ぎしりや寝てる間に意識する事は難しい…そんな時は寝ている間につけておくマウスピースがあるので歯科医院で相談してみるのも良いかと思います。
まとめ
虫歯以外にもお口の中で起こり得る事は沢山あります。
何か一つでも思い当たる事があるのならば歯科医院に受診する事をオススメします。
そのままにしておく事で更に他の症状まで引き起こす事もあるので、痛みが出た時だけ歯科医院に行くのではなく些細な事でも何かあれば受診して相談してみてはいかがでしょう。
そして、早期発見に繋げていきましょう。
佐藤ひとみ
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