放っておくと怖い!歯周病がもたらす人生の落とし穴

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あなたは歯周病がどんな病気かご存知ですか?

歯周病は、突然人生を変えてしまう恐ろしい病気です。

そこで今回は、虫歯よりも恐ろしい“歯周病”の症状・対策、そして歯周病になってしまった際に気をつけるべき注意点も含め、詳しくまとめてみました。

聞いたことはあるけれど、よく分からないという方や歯周病かどうか知りたいという方は、是非参考にしてみて下さい。

1. 歯周病とは?

歯のオペ

歯周病は、細菌の感染により歯の周りにある組織である歯ぐきや歯を支える骨が、何らかの病的状況になる事を指します。

虫歯によって起こる事ではない為、健康な歯であっても歯周病によって歯を失う方は少なくありません。寧ろ、虫歯になりにくい方の方が、歯周病にはなりやすいとさえ言われています。

その理由として、菌の種類が違うという点があげられます。

私達のお口の中には300~400種類の細菌が存在していますが、虫歯の原因となるミュータンス菌をはじめ、アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンスやプロフィロモナス・ジンジバリス、プレボテーラ・インテルメディア、スピロヘータなど歯周病を引き起こす菌も存在します。

これらの菌が、歯肉溝(歯と歯ぐきの境目)のなかで異常増殖により、歯周ポケットと呼ばれる境目の隙間が形成され、正常であれば歯と付着している部分の歯肉が歯面からはがれ、続いて歯肉が腫れ、更に骨の破壊を起こさせるのです。

1-1. 歯周病は、歯肉炎と歯周炎に分類される

歯肉炎と歯周炎を合わせた呼び名が、歯周病です。歯周病の初期症状である歯肉炎は、磨き残しであるプラーク(歯垢)が歯ぐきに付着する事で起こります。

プラークが付着し、一週間から十日程経過すると、歯と歯ぐきの境目にある歯肉が赤く腫れ、歯ブラシの毛先などによる刺激で出血が起こります。

健康な歯肉であれば、過度な力で磨かない限り出血が起こる事はありません。また、歯肉炎の段階で、歯周ポケットの形成は始まっており、長い時間をかけて徐々にその深さを増していきます。

症状が悪化してくると、歯と歯ぐきの境目の歯肉は熟しすぎたトマトのように腫れぼったい丸い形になります。同時に、歯ブラシの毛先ではなく、風を当てただけで出血が見られるようになり、排膿が起こる事もあります。

その為、口臭が強くなり、匂いの強い食べ物やアルコール、タバコなどとは違った独特な臭いを放ち始めます。この症状になると歯肉炎ではなく、歯周炎と判断される事が多いです。

歯肉炎と歯周炎には大きな違いがあります。

それは、歯の周りにある組織への悪影響が、歯肉だけに留まらないという点です。

健康な歯肉溝であれば、常在菌とよばれる歯周病を発生させない菌のみ存在しますが、歯肉炎になり、更に歯周炎にまで進行すると、常在菌だけではなく、様々な菌が増殖し始めます。

歯周病を引き起こす菌類は、表面に見られるプラークとは違い、空気を嫌うタイプな為、奥へ奥へと逃げようとします。その結果、歯周ポケットの深さが増し、歯を支える骨にまで到達するというわけです。

骨に到達した菌は、その力により次第に骨を溶かし始めます。歯周病になると歯の安定が悪くなるのはその為です。

一部分ではなく、全体的に起こるという事も歯周病の恐ろしい特徴です。

詳細は、「あなたの歯肉は大丈夫?歯肉炎と歯周炎の違いと症状」も参考にしてください。

1-2. 歯周病による歯の損失

歯周病で一番怖いのは、痛みを感じない事です。

徐々に痛みを感じる虫歯とは違い、ムズムズしたような軽い違和感程度で終わる歯周病は、症状が重度になっても気付かない事が多く、骨が失われ歯がグラグラと揺れ始めてから気付くケースがほとんどです。

また、早期発見が出来ない理由として、痛みの他にも、対象になる歯が虫歯ではなく健康な歯の状態であるからという点もあげられます。

その為、虫歯になりにくい丈夫な歯をもっていると思う方程、歯科医院での検査を怠り、歯周病によって歯を失うといわれています。

レントゲン写真により、骨の状態は確認が出来ますので、虫歯の可能性がなくても定期的なチェックをし、歯周病の早期発見を心がけましょう。

1-3. 歯周病の感染源

常在菌と歯周病菌が全くの別物であるという点から、私達の口の中には元々は歯周病菌は存在しない事がわかります。ではどうして、歯周病になる人がいるのでしょうか?その理由は、赤ちゃんの頃の食事の仕方にあります。

熱いものを赤ちゃんに与える際、冷ます為に、フーフーと息を吹きかけるという方は少なくないはずです。

でも、実はその行為が歯周病菌の移る原因となります。唾液や目には見えない口からの水蒸気に含まれる菌が、食事に付着する事で、それを食べた相手へ移動し、後々歯周病を引き起こす原因になるというわけです。

しかし、その行為を辞めてしまったらどうでしょう?

赤ちゃんに対するスキンシップが減るという事は、あまり良い事ではなく、感染する機会はその頃の食事のときだけとは限りません。友達との飲み物の回しのみや、夫婦で同じ箸を使っての食事など、些細な事で感染は起こります。

その為、歯周病菌を恐れてスキンシップを減らしても、感染しないという保証はどこにもなく、寧ろそれを受け止め、菌が悪影響を起こす前の対策に専念する方が、愛情豊かな良い生活が送れるのではないでしょうか。

2. 歯周病にならない、進行させない為の対策と注意点

歯磨きをする女の子

歯周病がどれだけ恐ろしい病気なのかを充分把握したところで、次はその対策について詳しくみていきましょう。

歯磨きの回数を増やすだけでは防げない歯周病。正しい歯の磨き方や私生活で気をつけるべき事として何があるでしょうか?対策をする事により、早期発見や重度になるリスクを防ぐ事が出来ます。

現在の行動と比較して、改善すべきところがないかチェックしましょう。努力する事で必ず健康なお口を維持する事が出来ます。

2-1. プラークをしっかりと落とす

歯周病の初期段階である歯肉炎の原因は、歯と歯ぐきに付着するプラークです。

それが月日をかけて歯石となり、歯周病菌と合わさって歯周ポケット内にまで歯石が入りこみます。歯周ポケット内の歯石は、歯ぐきの上にある白色の縁上歯石とは違い、更に硬さを増した黒色の縁下歯石と呼ばれるものになります。

歯石は歯ブラシの力だけでは落とす事は出来ません。その為、プラークの段階で、しっかり除去する事が歯周病を防ぐ為に一番有効な方法といえます。

しかし、歯ブラシの回数を増やしたところで毛先が適切な場所に当たらなければ意味がありません。歯の頭部分だけでなく、歯と歯ぐきの境目である歯の根元に歯ブラシの毛先を当てて磨いて下さい。

歯ぐきに軽く毛先がくい込むぐらいの力をかける事で、境目が磨けてる証拠にもなります。是非お試し下さい。

また、歯肉炎の症状である出血は、そこを磨く事により歯ぐきが引き締まり、いずれ止まります。出血があるからと磨くのを怠ると、良くなるどころか悪化し歯周炎へと発展しますので注意しましょう。

2-2. 体力をつける

体の免疫力の低下は、歯周病の働きを活性化させます。

その理由としては、体にとって悪影響になる歯周病菌を倒す常在菌が戦う力を失ってしまうからです。体調不良や風邪も免疫力の低下が原因で起こります。

それを防ぐ為には、バランスの良い食事をし、体の求める栄養素を適切に摂取する事が大切です。また、適度な運動や睡眠、ストレスをため過ぎない事も体の安定を保つ為にはとても重要な事で、丈夫な体作りは免疫力の強化に繋がります。

歯周病だけでなく、体や心の健康にも関わりますので、改善点がないか一度自分自身の私生活を見直してみると良いでしょう。

2-3. 定期的なチェックを受ける

目に見えて分かる症状は歯ぐきの腫れ程度で、重度になると起こる骨への影響は、鏡を見てもけして確認する事はできません。

その為、骨の状態を調べるレントゲン写真の撮影や、専用の器具を使いポケットの深さを測る検査などを定期的に行う事により、症状の悪化や歯周病による歯の損失を回避できます。

痛みがない分、自己判断はとても難しく、危険です。必ず歯科医院での検査を受けるようにしましょう。

また、歯の掃除(クリーニング)は歯ブラシでは落とせない歯石を専用の機械で簡単に落とす事が出来ます。

爪楊枝や針などを使って自分で落とそうとする方もまれにいますが、歯や歯ぐきを痛める原因となりますので、絶対にやめましょう。

 まとめ

歯周病は虫歯とは違い自覚症状が少ない為、気づいた時には手遅れというケースがほとんどです。歯を失う苦しみは噛めなくなって初めて気付くものです。定期健診での予防と自宅での適切なお手入れ方法で、歯周病のない健康なお口作りを目指してください。

また、歯科医院では歯科衛生士による歯磨き指導もあります。自分のお手入れ方法に自信のない方は是非一度受けてみると良いでしょう。

努力次第でお口の中は変わるという事を忘れないで下さい。

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歯科ペディア

「歯の健康を保つ応援メディア」歯科ペディアです。 歯科医師監修のもと、歯科業界の現場で活躍している方がライターとして記事を執筆、情報を発信しています。
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歯周病の相談・検査は歯医者さんへ

歯周病で一番怖いところは、自覚症状がほとんどないことです。虫歯とは異なり、軽い違和感しか感じないのに歯周病が進行している恐れがあります。 あなたの大事な歯や健康が損なわれてしまう前に、少しでも歯の違和感や歯周病に不安を覚えたら、お近くの歯医者さんに相談してみましょう。 歯医者さんをお探しの際は、便利なWEB検索をご利用ください。 ・自宅近くの歯医者さんや、職場近くの歯医者さんがすぐに見つかる ・自宅からでもネット予約・電話予約ができてカンタン ・忙しくて予定を空けることが難しい場合も日曜や祝日に絞って検索できる

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