入れ歯を新しく作るには、個人差はありますがおおよそ1か月くらいかかります。
せっかく時間をかけて作った入れ歯、長持ちさせたいですよね。
長持ちさせるには、大切なポイントがあります。
このポイントをしっかり押さえておくことで、綺麗な入れ歯を長持ちさせてみませんか?
1.入れ歯を丁寧に扱う
基本的なことに感じると思いますが、とても大切です。
入れ歯を洗う時など、落としてしまったり、慣れてしまうと雑に扱うことはありませんか?
実は、これらが原因で入れ歯が割れたり、欠けたり、金具が曲がってしまったりすることも多くあります。
長持ちさせるためには、丁寧な取り扱いを意識してみてください。
また、金具のついた部分入れ歯をお口に入れる時に、ガチっと噛んで入れてしまうことも入れ歯の金具の変形や緩みの原因になります。
部分入れ歯は、正しい位置に合わせて、指でしっかり押し入れてから噛むようにしましょう。慣れないうちは、鏡を見ながら丁寧に入れるようにしてみてください。
2.「入れ歯が完成したから、通院は終わり」ではない!
入れ歯が完成したら、もう歯医者さんに通わなくて良い!と思いがちですが、実はそうではありません。
まず、新しい入れ歯は、すぐには合わず痛みがでることは少なくありません。少しずつならしていき、入れ歯を入れて痛みのあるところは、歯医者さんで調整してもらうことが必要です。
入れ歯が合うようになっても、定期的にメンテナンスすることは入れ歯を長持ちさせる秘訣の一つです。
メンテナンスの期間は、入れ歯の状態、残っている歯の状態にもよりますので、歯医者さんと相談して決めると良いでしょう。
2-1.メンテナンスで歯医者さんがチェックすること
①入れ歯の金具が折れたり緩くなっていないか、きちんと合っているか
②かみ合わせに問題がないか
③入れ歯を入れているところの歯茎に傷はできていないか
④入れ歯の人工歯がすり減っていないか
これらのことをチェックしています。
入れ歯の作りたては、このようなことの変化は少ないですが、時間が経つにつれてこれらのチェックが必要となります。
ご自身でも、使っている入れ歯を是非チェックしてみてください。
また、入れ歯に違和感を感じたら、すぐに歯医者さんへ行くことも重要です。
3.入れ歯のお手入れを見直す
入れ歯のお手入れはきちんと出来ていますか?
これを怠ってしまうと、入れ歯の劣化を早める原因の一つになります。
3-1.寝るときははずす
一日中いれていると、歯茎も床ずれを起こしてしまします。寝るときは、はずして歯茎を休ませてあげましょう。
入れ歯を入れたまま寝た方が安心という方は、歯医者さんに相談してみてください。
3-2.入れ歯用のブラシを使って、こすり洗いする。
歯を磨く歯ブラシで、入れ歯を磨いているという方もいらっしゃいますが、入れ歯用のブラシを使うことをお勧めします。
入れ歯用のブラシは、歯ブラシに比べて毛が硬く、毛も2種類ついているものが多くあります。
金具や人工歯などの細かいところを磨くためのより硬い毛、入れ歯の歯茎部分の広い範囲を磨くための毛。どちらも、入れ歯を磨くために効率が良いように出来ていますし、長持ちします。
普通の歯ブラシでは消耗も早く、毛が広がってしまった歯ブラシで歯も磨いてしまっては、歯もしっかり磨くことができずにどちらも綺麗にすることが出来ません。
ドラックストアなどでも販売していますので、ぜひ一度見てみてください。
3-3.入れ歯を磨くときには、歯磨き粉を使わない。
歯と同じように、歯磨き粉を使ってはいませんか?
歯磨き粉には、研磨剤が含まれているものが多く、それは入れ歯を傷つけてしまいます。目には見えなくとも細かい傷がつくことで、そこに汚れが入り込み雑菌の繁殖の原因となります。
3-4.洗浄剤を使用する。
寝ている間に入れ歯を洗浄剤を使って綺麗にしましょう。ブラシで磨いたから、これで大丈夫!では、ありません。
ブラシは物理的、洗浄剤は化学的な洗浄です。洗浄剤はブラシだけでは落としきれない雑菌を、綺麗に落としてくれます。
また、洗浄剤には、除菌だけでなく歯石を除去してくれる成分や着色汚れを落としてくれる成分を含んだものなど様々な種類のものが販売しています。
形状も、粉末タイプやタブレットタイプなどありますので、ご自身の使いやすいものを選んでくださいね。
4.入れ歯を乾燥させない
入れ歯を外している間は、必ず水の中で保管するようにしましょう。
入れ歯は乾燥させてしまうと、ひび割れなどの原因につながります。乾燥はさせないようにしましょう。
持ち歩く必要があって、水中保管は難しいという場合は濡れたティッシュで入れ歯をつつんで密閉のケースに入れることもおすすめです。自宅に帰ったら忘れずに入れ歯を水の中につけましょう。
ただ、ティッシュにくるんでしまうと、ゴミと間違えて捨ててしまうというトラブルもありますので気を付けてくださいね。
5.残っている歯を大切にする
これは、部分入れ歯を使用している人に限るのですが、残っている歯はとても大切な歯です。
特に、入れ歯の金具のかかっている歯はとても大切です。金具がかかっている分、他の歯に比べて負担がかかっていますし、歯磨きもしにくいことも多いです。
しかし、この歯を失ってしまうと、入れ歯はもう使用できなくなってしまいます。修理をするか、場合によっては新しく作り直す必要があります。
また、残っている歯が少なくなると、入れ歯を支える歯も少なくなりますので入れ歯の安定が悪くなり、痛みや外れやすいといった不快症状が出やすくなります。
残っている歯を大切にすることが、今使っている入れ歯を長く持たせることにもつながります。
6.自分で入れ歯を修理しない
入れ歯の不具合をご自分で修理することは絶対にやめましょう。
ちょっと触っただけと思っても、その入れ歯がもう使えなくなってしまうということも十分に考えられます。何かあれば必ず歯医者さんにみてもらいましょう。
また、入れ歯が緩いからといって、市販の安定剤を自己判断で使うこともあまりお勧めしません。
入れ歯は、基本的には安定剤を使用しなくても使えるものです。入れ歯を支える骨が少なく、どうしても難しいケースは歯医者さんで進められたものを使う場合もありますが、通常は使用する必要がありません。
入れ歯が緩いと感じたら、歯茎がやせてしまっていることも考えられます。歯医者さんで修理も可能なので自己判断で行わずに必ず歯医者さんに相談しましょう。
入れ歯は、丁寧に正しい取り扱いをすること、歯医者さんでのメンテナンスをおこなうこと、自己判断で修理などを行わないことで、入れ歯を長持ちさせることは十分に可能です。
以上の6つのポイントが綺麗な入れ歯を維持する参考になればと思います。
石田かすみ
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